夏の終わりに温暖化について思う

地球規模の環境問題が日本で盛り上がったのは、いつのころからだっただろう?

高度経済成長期に大気や海洋汚染が、社会問題として取り上げられたが、これらは地域がある程度限定された話であったのだと理解している。

筆者が記憶にとどめる範囲では日本が本格的に世界的な環境問題と向き合ったのは、オゾン層を守るためフロン全廃が可決されたモントリオール議定書だった。

その後、1997年の京都議定書や2011年の東日本大震災などの時々にきっかけを得て環境意識は高まり、様々な制度や取り組みがなされ、一定の枠組みができたり、関心の低下とともに落ち着いていくということを繰り返している。

そんな制度や環境の変化への対応はしながら徐々に環境対応型の社会になってきているが、、近年異常気象が続いているから二酸化炭素を削減するために公共交通機関を利用しようとか、節電をしようとか、肉食はやめようということにはなかなかなっていない。

具体的に目に見える問題として自分の行動と、それが引き起こす結果とが温暖化の場合は直接的に結び付きにくく、実感が持てないということからだろう。

しかし、徐々に温暖化の影響が深刻さを増しているように思える。

 

今夏の暑さは日本海側では厳しく、また9月は高温の日が西日本で続いたものの全体としては去年ほどではなかった印象がある。

しかし、ヨーロッパではフランスで45.9℃を記録するなど記録的な猛暑となった。

NOAA(米海洋大気局)の観測でも世界の平均気温は今年の6月、7月は月別の史上最高を記録しているという。

また、日本では1993年以前には多い年でも100人程度だった熱中症の死者数が1994年以降増加、2010年に1731人と過去最高を記録。

以降、様々な熱中症対策が取られているものの大きく減少させることはできず、毎年500人以上の方が亡くなっており、昨年は概算であるが6月から9月だけで1531人が亡くなっており、過去最悪にせまる数字である。(厚生労働省の確定がまだ出ていませんので過去最悪だった可能性もある)

 

このように将来危ないということではなく、具体的に影響が出始めているというのが現在の温暖化の状況だ。

これらが潜在的には温暖化している、このまま行くと良くないことが起きるのではないかという意識は人々の中には根付いているし、それが具体的に人々の意識を変えるような出来事が発生した場合、例えば海洋プラスチックの問題ではカメやクジラが苦しんでいるということがあるが、そういう分かりやすいストーリーが加わったときに大きな動きが出てくるように思われる。

具体的に何か、と言われると難しいが、今はインターネットで世界中がつながっている時代であるのでホッキョクグマやアザラシの苦境であったり、というものがYouTubeで話題になったりというのがきっかけになるかもしれない。

 

 

海洋プラスチックの汚染問題は飲料用ストローにとどまらず、様々な場所でプラスチックを削減しようという動きが出ており、大きな動きになっている。

地球温暖化もひとたび、大きく動き始めると「飛行機やマイカーの使用を控えよう」「肉食は控えよう」「無駄な電気を使うのはやめよう」と言った人々に行動の変化を求める圧力が加わってくる可能性は高いだろう。

ただ、その時に「こうしたほうが良い」というのが全て正しいかと言えば、そうはならないこともある。

あるいは、その努力はCO2の排出を抑制するかもしれないが、もっと違う方法で楽に削減できることがあるのに、となる場合もあるかもしれない。

そうならないよう正しい情報が広まるように願っている。

最後に環境省が作成した2100年の天気予報。

リンクを貼っておくので興味のある人は見て頂けたらと思います。

 

https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/2100weather/