辞書と電子辞書

大学生の過半数が読書習慣がないという記事を目にした。

調査は全国大学生協連合会、いわゆる大学生協ということでそれなりに調査結果は信ぴょう性はあるだろう。

過半数が読書の習慣がないということは活字離れが進んでいる、ということになりそうな気がするのだけれども、この場合の読書というのは、紙の本を対象としているのか電子書籍も含んでいるのかはちょっと気になったりはする。

また、書籍とは言えないけれどもネットで記事を読んだりする人はかなり多いと思うのだけれども、そういう人たちはどういう風に評価されているのかも気になる。

ちなみに、新聞やネットでニュースを見る人の割合は同じ調査で80.3%であるので、実際に文字での形で情報に触れている人は決して少なくはないので、調査の一部だけを切り取って大騒ぎするのは果たして正しいのかな、と思う。

と、そんなことを思いながら身近なところに戻ってくると、紙の辞書と電子辞書でふと思うことが最近あった。

活字離れの話とも関連するのだが、最近は色んな調べものをする場合にスマートフォンですることが多くて、辞書を引くことが減っている、のではないかと思う。

このことを嘆くような声もあって、それは辞書を引くと引いた単語だけではなくて、その周りに書いてある単語も目に入ってくるので、実際にはその時に必要だった知識だけではなくて、色んな知識が身につくので、辞書は必要だし、それを引くことは必要だという話だ。

まあ、辞書を引くことが出来るという技術は今でも必要だと思うし、ネットや電子的な情報ではなく紙ベースの方が情報が整理されている場合には、これを利用することは必要だろう。

実際に、自分自身も仕事で色んな検索をする場合に、データベースで検索する場合もあれば紙で検索する場合もあり、それは情報の所在を自分がどれだけ正確に認識しているかやデータベースと紙媒体の性質の違いなどで、使い分けているのでどちらが優れているかはケースバイケースだと思う。

それは辞書も同じで電子辞書で単語を調べると、電子辞書の種類にもよるが、複数の辞書が収録されているので、それぞれの辞書に意味が一覧で確認することが出来る。

それは例えば「東」という言葉を調べた場合に手元にある辞書を引くだけであれば「北を向いたときに右の方向」なんていう表現が出てくるかもしれないし、それ以外の知識は得られない。

しかし、複数の辞書があれば「太陽が昇ってくる方角」「西の反対」「地球が回転する方向」とか色々な表現が出てくるだろう。

そういう多様な表現を知ろうと思うと電子辞書で検索して、検索結果を横断的に確認するほうがいいだろう。

だから電子辞書が絶対的にいいというつもりはないし、紙の辞書に触れる機会が少ないと紙でいろいろと調べものをするという場合に、後々苦労することにもなるのである程度は辞書に触れていることはあった方がいいとは思うが、辞書にしろ本にしろ紙媒体に触れることが良い、ということばかりではないんじゃないかな、ということは思ったりする。

 もちろん、紙と電子の組み合わせということも必要になってくるだろう。